本の紹介1

紹介(5) 『文明化の過程』 ノルベルト・エリアス 

エラスムス自身は彼の小著『少年礼儀作法論』に、彼の著書の全体の中でそれほど大きい意義を与えていなかったかもしれない。かれは、序文の中で、若い人々の訓育にさまざまな部門があって、「礼儀作法」はそのうちのひとつの部門であり、自分はそれが「哲学…

紹介(4)『ワット』 サミュエル・ベケット 

ワットがたとえば真東に進むときの歩き方はこうであった。まず上半身をできるだけ北へ向け、同時に右脚をできるだけ南へほうり出す、次に上半身をできるだけ南へ向け、同時に左脚をできるだけ北へほうり出す、つぎに上半身をできるだけ南に向けて、左脚をで…

紹介(3)『歴史・レトリック・立証』 カルロ・ギンズブルグ 

……アリストテレスが引き合いに出している暗黙の知識は、人がヘラスに所属するものであるということと結びついている。「だれもが」は「すべてのギリシア人」であるのであって、事実、ペルシア人はその知識からは除外されているのである。わたしたちが知って…

紹介(2)『鯰絵ー民俗的想像力の世界』 コルネリウス・アウエハント 

(81)マルクスの理論は本質的に科学的思考の一つの彼岸であり、そこでは科学的思考は乗り越えられたものとして保存されているにすぎない。闘争を理解することが大切なのであって、いかなる意味でも法則を理解するのではない。「我々は唯一つの科学しか知ら…

紹介(1)『鯰絵ー民俗的想像力の世界』 コルネウス・アウエハント 

鯰絵は、一八五五年の江戸地震直後に現れたというだけではない。この地震こそが鯰絵の現れる直接の原因であったのだ。すなわち、版画およびそこに描かれた絵画表象は、きわめてユニークな方法で災害に対する反応を表したもので、地震と密接な関係を持ってい…