本の紹介3

紹介(27) 『道徳感情論』 アダム・スミス

この問題に関する教会の立場は、あくまで厳格な線をくずさず、調子の高いものであった。死後もなお個人は存在し続けると考える以上、聖者崇拝は自然であり、異論のあろうはずはなかった。彼ら聖者たちを敬いたたえることはゆるされる。「それにまねび、神の…

紹介(26) 『道徳感情論』 アダム・スミス

出エジプト記(20:12)あなたの父と母を敬え。これは、あなたの神、主が賜る地で、あなたが長く生きるためである。 中世の強烈な信仰は、こと聖遺物に関するとあれば、どんな興ざまし、どんな涜神に出会おうとも、恐れるようなことはなかったのだ。一〇〇〇…

紹介(25) 『道徳感情論』 アダム・スミス

マタイによる福音書(5:29)もしあなたの右の目が罪を犯させるなら、それを抜き出して捨てなさい。五体の一部を失っても、全身が地獄に落ち込まない方が、あなたにとって益である。(5:30)もしあなたの右の手が罪を犯させるなら、それを切って捨てなさい…

紹介(24) 『クルミ割り人形とネズミの王様』 E・T・A・ホフマン 

中世において、なにごとにつけてもすぐ決疑法をもちだすという傾向がみられたが、これまた、けっきょくは、あらゆる事例を独自に存立するものとして個別化し、それぞれを理念として眺めたいという希求のあらわれであった。やはり、極端な観念論に発している…

紹介(23) 『クルミ割り人形とネズミの王様』 E・T・A・ホフマン 

すると王様は脂身を食べてしまったマウンゼリングス夫人とその眷属に復讐することを決意して、枢密顧問官が呼ばれ、夫人を裁判にかけ、その全財産を没収することにしました。『ドイツ・ロマン派全集 第三巻』 「クルミ割り人形とネズミの王様」 E・T・A・ホ…

紹介(22) 『クルミ割り人形とネズミの王様』 E・T・A・ホフマン

302 飛び帰る銭 南方に蟷蝸、または螂蝦、または青蚨と呼ばれる虫がいる。形は蝉に似ているが蝉よりやや大きい。味はぴりっとしてうまく、食用に供せられる。子を生むときは必ず草の葉に生みつけ、大きさは蚕くらいであるが、幼虫を取ろうとすると、親がすぐ…

紹介(21) 『クルミ割り人形とネズミの王様』 E・T・A・ホフマン

焦尾琴 漢の霊帝のとき、陳留(河南省)出身の蔡邑は、再三上奏文を奉って自分の考えを述べたが、これがみかどの機嫌を損じ、またみかどの寵臣にも憎まれた。そこで、このままでは命も助かるまいと考えて辺地へ逃亡し、遠く呉群、会稽のあたりに行方をくらま…

紹介(20) 『クルミ割り人形とネズミの王様』 E・T・A・ホフマン 

上級裁判所顧問官のドロッセルマイヤーさんは決して美男子ではなくて、小柄で痩せており、顔は皺だらけで、右眼がなくて、そのかわりに大きな黒い眼帯をかけています。また頭の毛が一本もないので手の込んだ真白なガラス細工のカツラをかむっています。だい…

紹介(19) 『中世の秋』 ヨハン・ホイジンガ 

総会は会に在籍してまだ一四年の、三七歳のローマ管区長、クラウディオ・アクアヴィヴァを選出した。アトリ侯爵の子息で、古典、哲学、神学、法律の教育を受け、司祭に叙階され、ヴァチカンの権力中枢部内の要職に就いていた、このきわめて聡明な人は、一五…

紹介(18) 『中世の秋』 ヨハン・ホイジンガ 

正義感は、四のうち三までは、まだ異教ふうの感情であった。復讐欲だったのである。たしかに教会は、心のやさしさ、平和、ゆるしを強調して、この権利行使の思潮を和らげるようにつとめてはいた。だが、その努力も権利意識そのものを変質させることはできな…

紹介(17) 『中世の秋』 ヨハン・ホイジンガ 

騎士道をうたいながら、その実、政治的宣伝をもかねたつくりごとの、たいへん特殊な例として、しょっちゅう予告されながら、いっこうに実現されたことのない王侯の決闘というのがあった。これは、以前、別の機会に論じたところであるが、十五世紀における国…